「土地家屋調査士」って、あまり聞き慣れませんよね?一般に「調査士」と呼ばれてまして、
読んで字の如く、土地や建物を調査する仕事をしている人達です。調査と言いましても、
土地の値段を調べたり、建物に白アリが巣を造っていないか等の調査ではありません。^-^;
法務局(登記所)の登記簿に記載されている土地の面積や建物の種類・構造等を調査する
のが、我々土地家屋調査士の主な仕事なんです。皆さんの権利証を見て頂ければ、不動産を
特定するためのいくつかの記載があると思います。土地については所在地番・地目・地積、
建物については所在・種類・構造・床面積。これらは皆さんの大切な不動産を特定するために
必要不可欠な表示で、取引を円滑に行うためにも重要な部分です。登記簿では大きな土地だと
表示があったので、高いお金を払って購入したのに、現地に行ってみると登記の半分の面積
しか無かった・・・なんて事があったとしたら、とても大変な事ですよね?そのような事が起こら
ないよう、我々土地家屋調査士は公正かつ正確に不動産を調査し、登記を行っています。
もちろん登記をするには色々な決まり事があり、それらの決まり事を熟知した人でなければ
登記はスムーズに行えません。そこで我々土地家屋調査士が、皆さんに代わって不動産の
登記を申請し、その対価として報酬を頂いているという訳です。
調査士のもう一つの重要な業務に、土地境界標の設置があります。皆さんとお隣さんの
土地との境界をよ〜く見てみて下さい。コンクリート杭や金属プレート・金属鋲等の境界標が
設置されてませんか?これらの境界標は、皆さんの大切な財産である土地を管理・維持して
いく役割を担っており、境界紛争等のトラブル防止にもなります。この境界標設置を行うのが
我々「土地家屋調査士」です。普段の生活で「土地境界」について考える事など、そうそう無い
ものです。もし皆さんの土地が境界標の設置されていない土地ならば、一度境界の意義を
考え直し、境界標の設置を御検討されるのも良いのではないでしょうか。
疑問
★「土地家屋調査士」と「測量士」とは違うのですか??
はい違います。測量をするという意味では同じ業種ですが、測量士さんは測量成果を得る事を
最終目的としており、その成果を「登記」という形にする事は出来ません。所有者の代理となり
登記を反復継続出来るのは「土地家屋調査士」資格を有する者でなければなりません。
とはいうものの、土地家屋調査士試験の科目には測量に関する事項も含まれており、測量士
及び測量士補の資格を有する者は土地家屋調査士の2次試験を免除される点から考えても、
完全に別業種とは言えないでしょう。ただ、先に述べた「登記」という点で異なっておりますので
隣接業種といったところでしょうか。
★「土地家屋調査士」と「司法書士」とは違うのですか??
これまた違います。登記という点では同じように思えますが、司法書士は「権利に関する登記」
を行っており、土地家屋調査士は「表示に関する登記」を行うと明確に分業されております。
資格試験の内容から見ても、土地家屋調査士が民法と不動産登記法を中心とした実務に
関する知識を問う問題が多いのに対し、司法書士は上記のみならず、幅広い法律の細かな
判例や見解を問う問題が多くなってます。そういった点から考えても、司法書士は弁護士さんに
近いと思います。それともうひとつ、決定的な違いがあります。司法書士さんの場合、取引先等
での最初の挨拶は「おはようございます。いつもお世話になっております。」が主ですが、我々
土地家屋調査士の場合「まいど!」で終わってしまいます。服装についても、司法書士はスーツ
にネクタイが基本ですが、土地家屋調査士は作業着に長靴が基本かも?余談ですが・・m(_ _)m
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